こんにちは!ワイルドチームです。
今回は、爬虫類サークルで大切に飼育していたチャグロサソリの標本作成の様子をお届けします。
標本にしていくチャグロサソリは別名「アジアンフォレストスコーピオン」と言われます(バンド名みたいですね)。名前の通りでアジア広域の熱帯雨林に生息するサソリ全般を指し、種名の特定までは分類学上かなり難しいです。生態として砂漠などの種より比較的毒は強くないです。これは熱帯に生息しているので餌が豊富にありそこまで強力な毒でなくても狩りが成功するためと考えられています(Gwee et al,2008)。
命あるものはいつか終わりを迎えますが(業界用語では「落ちる」と言います)、今回のチャグロサソリは体の一部も欠けていない綺麗な姿でした。節足動物の標本には「乾燥標本」と「液浸標本」の2パターンがありますが、サソリはその両方が選べる生き物です。今回はそのままの形で「乾燥標本」にすることに決めました。

せっかくのサソリ、狙うは最高に「かっこいい」標本にしたいです。今回の乾燥標本は液浸標本とは異なり乾燥すると形が変えられなくなります。
そのため、今のうちに触肢(ハサミの部分)をグワッと広げた力強いポーズで固定します。とはいえ、無理は禁物。関節が折れないよう慎重にピンを打つ作業はいまだに緊張します。

また、標本において最も大切なのはその個体のデータである「ラベル」です。ラベルのない標本は意味がありませんので飼育個体であることやその生物の分類、飼育していた場所の詳細などを記載したラベルを作成しました。

今後はじっくり1か月かけて乾燥させ、標本箱に飾る日を楽しみに待ちたいと思います。
こういった標本作成などの技術や知識は博物館、自然調査員、ネイチャーガイドなど、生物に関わる仕事に興味がある方にとって、大切な経験となるはずです。
オープンキャンパスでは、ほかの昆虫の標本はもちろん、今回のサソリもいつかは紹介したいと考えていますので、ぜひ一度体験してみてください。
オープンキャンパスの案内はこちら
引用文献
M.C.E.Gwee, L. S. Cheah, P. Gopalakrishnakone, P. T. H. Wong, J. P. Gong &R. M. Kini (2008) Studies on Venoms from the Black Scorpion Hetero-Metrus Longimanus and Some Other Scorpion Species, Toxin Reviews 28;37-57 https://doi.org/10.3109/15569549609080106